昔は、冬の選手権と言えば静岡における正月の季語でした。
しかし、久しく優勝から遠のき関心もあまりなくなってきたのが現状だと感じています。

 

私自身関心が無かったですが、偶然試合を観ることになり、しかも決勝戦らしい気合いの入った良い試合だったため、魅入ってしまいました。
そして、再び静岡の地にサッカー王国を築くため、できることからコツコツと取り組むことは大前提ですが、今この決勝戦の舞台に立つことは出来ないと感じました。

 

その理由は、チームの戦術や全国から良い選手を集めるだけでは、決勝戦に進めないと思わせるとても優れた組織力に支えられたチームだと感じたからです。
青森山田高校は中学→高校に渡る巨大な組織(全国、地域のプリンスリーグと県リーグ全てに所属)を武器に、全国(世界)から集めた選手を総当たり的に育成することで安定した戦力を維持しています。
また、流経大柏高校は分析班と呼ばれるフタッフを抱え、試合中にスタッツを分析し戦術を修正する組織を育成しています。

 

プロのクラブなら、↑のような組織作りは当然行っていますが、アマチュアのしかもユース世代で、このような組織を持つのはズルいと正直思いました。
昔なら砂浜ダッシュなど地獄の猛特訓やチームの色(戦術)で優劣がついたため、指導者(監督)の方針が勝敗の行方を左右しました。
しかし、この試合を観て、現在高校サッカーで優勝するためには「一人の天才選手」や「名将と呼ばれる経験豊かな監督」だけでは叶わないという現実を突き付けられました。

 

近年清水エスパルスの育成世代は、選手を集める方法から選手の食生活、基礎体力作り等、優れた育成のノウハウを持っています。
しかし、静岡の地に大きく樹が育つためには肥沃な土壌が必要であり、その土壌は高校サッカーにあると思います。

私個人は、サッカー王国を「全国レベルの強豪校が静岡にたくさんある状態」と定義しています。
なので、ゴトビさんの時代に少しだけ企画された、高校のサッカー指導者を清水エスパルスの練習に招くという試みを、今一度再開してくれないかなと思う次第です。