2018年10月27日に埼玉スタジアム2002で行われたルヴァンカップ決勝は、湘南ベルマーレの初優勝で幕を閉じました。
優勝賞金1億5000万円からJリーグの制裁金600万円を引いた1億4400万円が、ルヴァンカップにおける湘南ベルマーレの取り分となる訳だが、結果的に優勝したチームから(最強チームでないための)制裁金を取る羽目になったJリーグ側関係者は、心底げんなりしていただろうとお察しします。
最強のチームの定義は、補足基準でカテゴリーごとに定められており、J1リーグでは以下の通り。
「J1リーグ戦およびリーグカップ戦における先発メンバー11人は、プロA契約選手または外国籍選手を合計6名以上含まなければならない」と明記されています。
以前から、数多の監督や有識者、ファン、クラブ関係者から廃止を訴えられても頑なに拒んできたベストメンバー規定の主な目的は、totoなどに絡む八百長試合・無気力試合の防止、スター選手のプレーを目的に観戦に訪れるファン・サポーター、または資金を提供してくれるスポンサーへの配慮などです。
しかし、Jリーグが各クラブの経営方針や監督の専権事項である選手選考に直接的に口を出すことができるこの規程の存在は、各クラブにとって目の上のコブに他ならないと考えます。
特に、(清水エスパルスは蚊帳の外なのが残念だが)ACLに出場するクラブにとって、この規程のために使いたくない主力選手を連戦で酷使することがままあるため、嫌な思いをすることが多いだろうなと考えます。
さらに、これは個人的な考えですが、主力組(A)と控え組(B)でホームとアウェーを交互に戦うという割り切った戦略も、中堅規模以上ならあり得ると考えます。
特に、優勝より残留が第一目標で中長期的に育成を伸ばそうと考えているクラブは、前半戦をABローテーションで戦い、(その結果を踏まえた)後半戦に勝負を掛けるような戦い方など、目の前の勝敗に目をつぶるようなリスクのある戦い方に挑戦することもできます。
つまり、クラブ経営における戦略をJリーグが縛っているという現実を問題視して欲しいと考える次第です。
例えば、今週から来週にかけて行われるACL決勝を戦う鹿島アントラーズは、嫌でもターンオーバーをすると考えます。
そんな時に、Jリーグとしてバストメンバー規程が足かせとなり大胆な選手起用を妨げることになる可能性があるということです。
今回、湘南ベルマーレが優勝したことで、この規程がもう少し緩くなるか廃止されることを切に願います。